禹宗ウォン「日本の労働者にとっての会社」『歴史と経済』第203号(2009年4月)

「複線管理」が日本の人事労務管理のもっとも大きな特徴であった.「複線管理」とは,上位身分・資格の一定枠は初めから別コースで確保しておき,残りを多数に競わせる管理方式である.「年功」は戦前日本の労務管理のコアとはいえない.それはむしろ労働者側の武器であった.労働者は年功を主張することによって,複線管理に穴を開け,より多くの人が地位を向上できる途を探ろうとしたのである.
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「身分の取引」と日本の雇用慣行―国鉄の事例分析

「身分の取引」と日本の雇用慣行―国鉄の事例分析