2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フィリップ・バビットを読みながら

くそ分厚い大著の第一部(憲法・国家編)は意外と快調に読了したものの第二部(国際法・国際社会編)でちょっとペースが落ちた。しょっぱなはウッドロウ・ウィルソン再評価というかリアリストたち(たとえばキッシンジャー)がウィルソン主義をナイーブなお…

『ユリイカ』2008年6月号「特集:マンガ批評の新展開」

id:boxman氏の「おめーらのアングルにはのれねーよ」てなぼやきで一部で有名な本誌を紀伊国屋の店頭で見かけた。ユリイカ2008年6月号 特集=マンガ批評の新展開作者: 荒川 弘出版社/メーカー: 青土社発売日: 2008/05/26メディア: ムック購入: 4人 クリック: 4…

大瀧雅之編『平成長期不況』(東京大学出版会)

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-040239-2.html 大瀧先生は周知のとおり反リフレ派なのですが、これはちょっと楽しみですね。『世界』のエッセイは正論だと思いました。

野村正實の研究の周辺 2008年4月19日

http://www.econ.tohoku.ac.jp/~nomura/periphery.htm 別に統計を取ったわけではないので正確さは保証しがたいが、実感として、社会科学研究者が自分の単独著書を出版する年齢は、40代前半がもっとも多いと思われる。普通、最初の著書は、指導教員や先輩研究…

クリエイティブ・クラス?

手元に届いたインコミ終刊号で山形浩生がリチャード・フロリダのクリエイティブ・クラス論(名前からして「ダメ」の匂いがプンプンするのに、どうして人はこんなものを買うのか、わかっちゃいるけどわからない)をくさしていた文章を読み、ふとググる。 こい…

「疎外」「物象化」をめぐってあれこれ無秩序に

考え方はいろいろあって、まず「マルクスの思想は現代経済学・ゲーム理論と整合的である」という大前提から出発する。そうするとここで「だからマルクスも再読に堪える」という考え方も出てくれば、逆に「だったらマルクスイラネ」という考え方も出る。この…

「『はだかの王様の経済学』は戦慄すべき本である」メモ

ここんとこ毎日10年ぶりの英語論文を書いていて時間がないのでこんなことしている場合じゃないのだが(お約束)。 http://cruel.org/other/matsuo/matsuo.html#sec2 少しでもまともな仕事をやったことがある人ならすぐわかるけど、最終的な財の生産につなが…

「何故しぶとく生き延びるのか ゴキブリとマルクス」『諸君!』2005年8月号

松尾さんの新著をめぐって変に盛り上がっているのでお蔵出し。 何らかのネタの提供になるだろうか。 これと『教養』第7章を読んでいただければ、ぼくが疎外論的マルクス主義それ自体には割と批判的――正統派レーニン主義にもそれなりの事情があったし、その…

橋本努『「公共性」論』書評@『図書新聞』2008年6月21日付

ありがとうございます。前著への室井尚氏のクソ書評とは違って、(ところどころミスリーディングではあれ、字数の制約の中では極力)きちんと内容をおさえて紹介してくださっているわけですから、ちょっとくらいなら苦言を交えていただいてもよかったのです…

Barnes & Nobleにて

Neorealism and Its Critics (The Political Economy of International Change)作者: Robert O. Keohane出版社/メーカー: Columbia Univ Pr発売日: 1986/08/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 「通行人」改め「anser29」さんおす…

日本で出たそうで気になっているもの

人生越境ゲーム―私の履歴書作者: 青木昌彦出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/04メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 39回この商品を含むブログ (26件) を見る 山形先生もほめておられるので。 ところで新左翼運動史の史料としての価値はどう…

STRANDの日々

NYをはじめ米国北東部はこの間の週末から記録的な熱波で、昨日火曜日など小学校が休校したわけですがそれはさておき;Graphic Novels: Everything You Need to Know作者: Paul Gravett出版社/メーカー: Harper Design発売日: 2005/11/01メディア: ペーパー…

石川忠司『衆生の倫理』(ちくま新書)

衆生の倫理 (ちくま新書)作者: 石川忠司出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/04メディア: 新書購入: 2人 クリック: 77回この商品を含むブログ (18件) を見る 結論部分は多分に苦しまぎれの詭弁だと思うのだが(「悟り」や邪悪なるものの理解についてはや…

ほしい!

DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ (ブルーバックス)作者: JT生命誌研究館,工藤光子,中村桂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/21メディア: 新書購入: 10人 クリック: 128回この商品を含むブログ (27件) を見る ここまで言われるとほしくなる。

ハバーマスが倒せない

某mixi経由。 ネタとしてハーバーマスというのは大変にうなずける選択であるが、内容的にはいま一つ……。