次回『Invitation』は

来月に3巻目がでるよしながふみ『大奥』ということにした。ゲラが間に合わないので収録分の掲載誌『メロディ』バックナンバーとコピーを送ってもらい、目を通すと――
とんでもないことになっている。
 ついうっかり「時代と権力に翻弄される悲劇」かと思って読んでいたら全然違うことが明らかとなる。いやそのことは序盤の主人公水野が早々に退場し、代わって吉宗が主人公として登場してきていた以上、もとから明らかだったのだ。2巻の展開はほぼ一巻丸々使ってのミスリードである。
 90年代まんがの水準を示すのが岩明均寄生獣だとしたら、『大奥』は2000年代の里程標として記憶されることになるだろう。(個人的には吉宗の次の主人公は田沼親子でお願いしたい。)そしてひょっとしたら裏『風雲児たちにもなるかもしれない。もちろん無事に終わらせるには、長谷川裕一並のストーリーテリング能力が要求されるわけだが、なに、この書き手の構成力も並ではない。

というわけで

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)