アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』(国書刊行会)続

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 読みました。
 いやね、最近俺はオサレなSFばかり読んできたのだな、と。ぬとぬとぐちゅぐちゅぶちゃぶちゃグロ系を読んでこなかったわけじゃないけど、飛浩隆とか吉村萬壱とかは本質的にお上品なんだな、と。
 グロと下ネタは違うんですよ。ベスターはグロじゃなくて下品。まあなんて楽しそうな。

 一言で言うと、下品で陳腐なパルプフィクションだったはずが、中盤からバロウズになってきて気がついたら終盤更に下品になってしかもジョイスになってたんですよ。エピローグなんか『フィネガンズ・ウェイク』そのものだから。いや真似とかじゃなしに、手塚治虫のタッチを自分のものにした田中圭一みたいに、バロウズ文体やジョイス語を取り込んだとしか見えない。『コンピュータ・コネクション』のSpanglishもすごかったが、これはもっとすごいのでは。
 品切中の『虎よ、虎よ!』はいずれ再販されるだろうけど、どこか『コンピュータ・コネクション』を復刊しないかな。

 渡辺佐智江氏の翻訳は真に偉業の名に値します。