お買い物

学習の生態学

学習の生態学

 第1部はレイヴ=ヴェンガーの「徒弟制」論をはじめとする「状況的学習論」の批判的総括として有益。
 「組織学習」論についてのワイクの「組織化と学習は背反する」テーゼの話も面白い。「学習(を可能と)する組織」とは結局発展途上の組織であり、完成した組織からはそうした学習(を可能とする失敗、試行錯誤)の余裕がなくなる、というのは確かにそのとおり。
 きわめて安定的で固定的な(地位序列と熟練序列が一致する)「徒弟制」モデルにおける「学習を可能とする余裕」と、きわめて不安定な発展途上の近代的組織におけるそれとの相違をもっと見定める必要がある。
 「教育」「学校」についてはまだ本格的な議論はなされていない。