[メモ]小島先生……
http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20081220/1229764380
http://d.hatena.ne.jp/arn/20081221#p1
銅鑼衣紋 2008/12/21 18:05 言っては悪いが、想像力が欠如してるのよ、こういう人は。事件は会議室で起こっているわけではないという名文句(笑)があるが、まさにそれで、数学的に美しい体系を弄るのが経済学だと思いこんでいるものだから、現実に起きている、あるいは起きる可能性のある現象に対する想像力が全く欠如している。数学は人が自らの内面を探求する科学の一種であり、経験とは無関係でありうるが、実証科学の一部である経済学は、とにかく「ここにある現実」から出発しなければならない。もちろん、凄い現象は個人が生きている間に何度も起こらないのだから、過去に起こった事例を歴史に学ばなければならない。だが、理論なしに断片化した事実の集積としての歴史をいくら眺めても何も分からない。つまり、事実と理論の間の無限の往復運動の中にのにみ科学は存在する。
こんなことは理系の人には自明であり、最後の結果だけ見れば隅から隅まで論理の光に当たっているように見える体系であっても、最初はあちこちに瑕疵のあるものなのは当たり前だよね。物性物理の学生なんか、1年も2年も乳鉢にわけのわからん物質入れてゴリゴリ擦っては電気抵抗測るなんていう仕事をやってる。理論は、その抵抗値が急激に低下した物質が見つかって、そのメカニズムを解明する中で明らかになるわけで。
要するに、この国の社会科学者には儒者がおおぜい居て、数学や理論を朱子学のように弄んでいるのが現実なのだ。かつては「経済学者の意見をちゃんと聞け」と言ってきたが、最近は「経済学者がそもそもダメ」と思うようになってきた(笑)
http://d.hatena.ne.jp/arn/20081221#c1229850303
効率賃金仮説についての解説は大変素晴らしい。しかしはっきり言ってそれについて記述された後半と、前半のつながりが全く見えない。労働市場の不完全性が恐慌と不況の原因であることの論証は端的に不在である。
「どこかに実物的な原因があるはずだ」と前半が締めくくられて、後半の記述に続く、という体裁になっているのだが、後半の記述がそれとしてよくできているだけに、何も説明していないのに何かを説明したかのような振りをする、余りたちの良くないレトリックに終わっている。わざとではなかろうが。