勉強会

福祉系の院生2名と月1で私的な勉強会をしている。
福祉国家論研究会ということで、マクロ体制の実証的研究と、規範理論的なものとをあわせて読んでいく。
とりあえずスピッカー『福祉国家の一般理論』を読んでみたがこれがつまらない。
ということで毛利建三の昔の論文「福祉国家発達の諸段階」(後に『イギリス福祉国家の研究』第1章となった研究サーベイの部分)を取り上げる。今日読んだところはハーバーマス=オッフェの後期資本主義論と、マーシャル=ベンディクスの市民権理論の紹介。これでエスピン=アンデルセン以前の動向は何とか拾える。
次回は今日読んだ論文の続編「福祉国家史研究の課題と方法」で、ヨーロッパ社会保障発達史の通観(基本的な制度がいつ頃できたか、年表的な確認)。
それから富永健一『社会変動の中の福祉国家』(中公新書)でおおざっぱにエスピン=アンデルセン以降の新しい研究動向をフォローする。そのあとはノーマン・バリー『福祉 政治哲学的アプローチ』(ミネルヴァ書房)で規範理論をちょっとやる。(バリーはもともとニューライトだというあたりもなかなか味わい深い。)その先は未定。

しかしこういうことをどうやら「社会福祉学」プロパーではきちんと教わらないんですね。興味深いことだ。「社会福祉原論」とかでは何を教えているんだろう。

次回は12月17日を予定。暇な方は来てくださってもよいですよ。