旧「別館」

というわけで空気を読んで

2001年11月12日より再掲。漢字と日本人 (文春新書)作者: 高島俊男出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/10/01メディア: 新書購入: 5人 クリック: 56回この商品を含むブログ (58件) を見るはひょっとして日本語を素材としたポストコロニアル批評の傑作では…

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「別館」からのインポートを少しずつ始めました。 とりあえず近頃話題のネグリ関連のエントリーから。 もう私としてはネグリの思想に対しては基本的に関心はありません。ただの二流だと思っています。 今回の来日中止については、結局はななころびやおきさん…

萱野稔人『国家とは何か』(以文社)[bk1, amazon]はポストモダンの政治哲学、国家論の本としてよくできています。ホッブズの社会契約論には実は二つあることとか、国家論におけるホッブズとスピノザの間には、実はそれほどの違いはないこととか、今度ちくま…

話題の佐藤優『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)[amazon, bk1]であるが、梶谷懐氏やbewaad氏の評価が正当だと思う。佐藤氏と問題意識を共有しながら、なおかつ地政学派(ロシアスクール)だった佐藤氏とは別派閥の、チャイナスクールや…

貴戸理恵『不登校は終わらない 「選択」の物語から〈当事者〉の語りへ』(新曜社)[bk1, amazon]、悪い本ではない。先行研究のサーベイは同時に「不登校」をめぐる言説の知識社会学的分析としても読めるし、インタビュー調査も個人が手弁当で行ったものとし…

昨日のに少し補足する。ぼくが言いたいことは以下のとおりだ。小泉義之の言う意味での「変身」がない限り、あるいは人間を受け継ぐ別の「怪物」が出現しない限り、コミュニズムは無理だ。身体―機械としての人間の基本的なスペックを根本的に変えるか、あるい…

大川正彦『マルクス いま、コミュニズムを生きるとは?』(NHK出版)、せっかくいただいといてなんですが――ダメだよこれ。全然ダメです。前の『正義』(岩波書店)[bk1, amzaon]の方がずっといい本、ましな本だ。あの本は北田暁大『責任と正義』(勁草書房)…

立岩真也『ALS 不動の身体と息する機械』(医学書院)[bk1, amazon]、いつも思うのだが、立岩さんはタイトルのつけ方(本書もそうだが、本書の原型となった『現代思想』の連載「生存の争い ――医療の現代史のために」もまた見事だ)をはじめとして、ことば…

大塚英志『サブカルチャー文学論』を一応読了、『「おたく」の精神史 1980年代論』(講談社現代新書)[bk1 amazon] にとりかかる。個人的に、いろいろと痛い指摘が多い。たとえば湾岸戦争時の文学者の「声明」について論じたあたりでこう書かれている: あの…

アントニオ・ネグリ『マルクスを超えるマルクス 『経済学批判要綱』研究』(作品社)[bk1, amazon]、どーにもうざい。なぜこんなにうざいのか。前提とされているマルクス主義的教養が既に過去のものとなっているからか。そのことに無頓着に本書を流通させよ…

森建資『イギリス農業政策史』(東京大学出版会))[bk1、amazon]、なんつーかしょうがないから買いましたよ。前著『雇用関係の生成』(木鐸社、品切)以来のミーハーなファンですからねえ。しかし近世から近代イギリスの雇用関係法をコモンローに重点をお…

小泉義之『生殖の哲学』(河出書房新社)[bk1、amazon]を読んで頭を抱える。相変わらずあちこちにアラやでたらめが目立つ。しかし今回は基本的に有意義なことを書いているような気がしてならない、というか、気分のレベルでは肯定するぞ私はとりあえず。 前…

試験が終わると入試。雑事に追われてとっぴんしゃん。 永井均『倫理とは何か 猫のアインジヒトの挑戦』(産業図書)[bk-1、amazon]、「哲学教科書シリーズ」のうつくしいフォーマットをひとりでやぶってええんですかほんまにそれで満足ですかとゆーかせんせ…

大塚英志『サブカルチャー文学論』を一応読了、『「おたく」の精神史 1980年代論』(講談社現代新書)[bk1 amazon] にとりかかる。個人的に、いろいろと痛い指摘が多い。たとえば湾岸戦争時の文学者の「声明」について論じたあたりでこう書かれている: あの…