飯田泰之『ダメな理論』(ちくま新書)をめぐって

http://bewaad.com/20061110.html#p02
http://www.ny47th.com/fallin_attorney/archives/2006/11/09-123229.php

弾さんは経済学者ではないので、経済学の作法に縛られる必要はありません。それはその通りだと思います。
また、弾さんは、経済学の範疇では捉えられないことを伝えようとしているのかも知れません。

ただ、そうであれば、例えば、「人間の幸福はお金を持つことだけではない」と伝えればいいのであって、そこに「GDPの概念がおかしい」とか、「経済成長という考え方がおかしい」ということを、(その経済学的な理解に誤解のある形で)言う必要はないのではないでしょうか?

水からの伝言」と同じように、ある特定のメッセージを伝えるために、長い年月を経て科学的に共有されてきた理解が(意図的にせよ無意識にせよ)誤解されて使われていることがあれば、それを正そうとする(ダメ出しをする)ことは、その学問にコミットする者としてはごく自然な対応であるような気がします。