- 作者: 地下沢中也
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/10/20
- メディア: コミック
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1巻ではウェルメイドなSFという感じだったのだが、2巻、しゃべる猿のエリザベスの登場を経て、非常に本格的な神学説話に突入している。これはおそらくかなり意識的になされている。たとえば
万能知性ピッピは明らかに「予言者」を超えた「預言者」になりつつあるが、それは偽の神あるいはアンチキリストに他ならない。ただ彼にはどうやら悪意があるわけではなく、より超越的な悪にたぶらかされているだけらしい。そしてその悪とはエリザベスに言わせればただの「悪ふざけ」である。
そしてもちろんエリザベスはキリストなのであるが、真のキリストがそうであるように無力である。彼女は真実を看破し、弱き者の傍らに寄り添うだけだ。