書棚のアフォーダンス

現行電子辞書には、例えば翻訳者が、辞書によって、辞書において、辞書に関連して(無意識に行なっていることを含めて)行なっていること(言わば〈辞書のアフォーダンス〉)を実行する機能が備わっていない。辞書は、基本的にはテキストではなく、テキストを生産するためのメディアであるから、電子辞書の情報量をいくら増やしても欠点は解消しない。現行電子辞書は余りにローテクである。だからこそ、初学者にとっても有益ではない。これに似た話は多いのではなかろうか。

http://d.hatena.ne.jp/desdel/20071204


 リアル書店の店頭にせよ、図書館や書庫にせよ、書棚のアフォーダンス、ということについては結構多くの人が指摘している。ウェブ書店やウェブライブラリーにも固有のアフォーダンスはそれはもちろんあるのだが、やはり本を発見するためには店頭に赴くことが大切だ。
 おそらくは自分でリアル書店の店頭に立てなくなるとき、立ち読みができなくなるときが、ぼくの最期のときだと思っている。