うろうろしていて

 みつけた谷甲州『パンドラ』評。
http://d.hatena.ne.jp/Wanderer/20041225
 まだ上巻途中までしか読んでおらず、下巻はぱらぱらめくっているだけなのだが、非常にうなずける。なんというか、エイリアン像が平板なのだ。
 ディテールの細密さや重厚さ、小説としての完成度において野尻抱介『太陽の簒奪者』をしのぎながらも、少なくともファースト・コンタクトの話としては負けているのではないか。
 たとえばそれこそレム的に、あるいはせめてドス=パソス風に処理すれば、ずいぶん印象は変わっただろう。(フリッツ・ライバー『放浪惑星』やジョー・ホールドマン『マインドブリッジ』はドス=パソス風SFの例かな。あと未訳のジョン・ブラナー『ザンジバルに立つ』。)