いま書いてる原稿で

 藤田省三を「人文系ヘタレ中流インテリ」呼ばわりしたよ。
 まあ丸山真男を筆頭に戦後民主主義者はおおかたそうなんだからしかたないんだけど。
 中西師匠がかつて山田盛太郎と大河内一男を「そこには「市場」がない」となでぎりにしていたことを思い出す。大塚久雄や内田義彦はなんとか戦後民主主義に「市場」を肯定的なものとして認識させようとしたわけだが、結局何かが足りなかったわけです。


 それにしても「全体主義」概念はつかいどころがむずかしい。藤田の「「安楽」への全体主義」はもちろん卓見であり、いま読むと東浩紀の「動物化」論だとかアガンベンの「剥き出しの生」「ホモ・サケル」論とかに完全に先駆けてることもわかるのですが、一方「全体主義」概念は実証研究の道具立てとしては果てしなく問題含みであることは山口定のようなファシズム研究者、また塩川伸明のような社会主義研究者が指摘するとおりなわけで。

本田先生がまたはじけてる件について

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20060415#p1
とコメント欄を見れば基本的な論点は押さえられているのではないですか。
 学歴のスクリーニング機能の根拠というか、意図せざる学歴差別についての、教育社会学者による古典的分析は竹内洋『日本のメリトクラシー東大出版会)にありますよそういえば。「ねじれ効果」だっけ。
http://www.bk1.co.jp/product/1203794/?partnerid=p-inaba3302385
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4130511068/interactivedn-22

岩田規久男・飯田泰之『ゼミナール経済政策入門』(日本経済新聞社)

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20060415/p1
とりあえずうちの院ゼミでつかいます。「リベラリズム」やるのにロールズとかドゥウォーキンだけやってもしかたがないし、「政治理論」の教科書読んで終わり、でもダメだ。基礎が大事。ということでこの本で経済学を、そして樋口陽一『比較憲法』で憲法学・政治学をまずおさらいします。