昭和恐慌―日中戦争期のおさらいをしつつ

 加藤陽子満州事変から日中戦争へ』をとりあえず斜め読みしたが、どうもこの辺は複雑で、いろいろ読んでいてもなかなか頭に入らない。定評のある井上寿一の本も複数読んでいるのだが、見通しをつけるのはむずかしい。
 そんな中で今更『著作集2 エコノミストの面目』 とピーター・テミン『大恐慌の教訓」を併せて読んでいると、湛山のすごさに愕然とする。とにかく湛山を読んでいると、戦前日本でもリベラリズムは十分に可能だったし、それが一番ましな選択肢だった、という気分になってしまって、三木清とか尾崎秀実とかを読む気が失せてしまうのは困りものだ。

大恐慌の教訓

大恐慌の教訓