佐藤俊樹先生による「言説分析」解説

「公理系みたいな形で、メタな立場から「言説は誰かの意図に回収されるものではない」と宣言しても、引き剥がしたことにはならない……。言説の読み方をメタな立場で指定すること自体、いろんな約束事を前提にした、言説分析から最も遠い態度だからです。例えばそれこそ社会科学という学問があるからこそできることです。」
「メタの立場で事前に読み方を指定できないために、書き手が言葉の意味を通常の「誰か」から急激に引き剥がそうとしても、読者の方で別の「誰か」に性急に回収してしまいます。ですから、ゆっくりとしか引き剥がせない。その剥がす速度と方向性はつねに具体的に想定される読み手に拘束されます。」
http://d.hatena.ne.jp/contractio/20060524#c1148543370