野暮だとは思うがあとりKAAにマジレスするよ。

 ちょっと調べてみたのですが。
 「童貞が許されるのは小学生までだよねー」(まさしく愚劣なネタだ)ならまだしも「D・V・D! D・V・D!」には素直に笑えない。
 三音節連呼のネタAAとして出色とは思うが、もとネタのマンガがあまりといえばあまりというか、素直にバカにして笑え、純粋に、ただ単に愚劣なネタとして楽しめるかというとちょっと疑問である。というのは、そもそもいじめというものの大半はああした愚劣な現象であり、閉塞状況に置かれたバカな子どもは結構あれと大差ない愚劣な行為に――加害者としても被害者としても――走りがちだと思うからだ。あのマンガを読んでトラウマを呼び覚まされ、マジに傷つく人も一定数いるのではないだろうか。
 エロだから、とか、暴力的だから、という理由であれを拒絶したいのではない。そんなこといってたら『ベルセルク』も『愛人』も読めない。ただ、あれは嗜虐を煽るような表現であり、かつそのことに対して無反省ではないか、という疑念が頭を去らないのだ。もちろん現実に人をいじめたいとか傷つけたいとかいう欲望は多くの人のうちにあり、サディズム性向を抱える人々もまた存在し、そのような現実と折り合いをつけるために、人はいろいろとガス抜きを必要とするだろう。その意味ではSM風俗とか残虐な表現は、たしかに社会的に有用だ。しかし、あれは微妙にそうしたものとは違うような気がする。カタルシス効果よりも、煽り効果の方がひょっとしたら高いのではないか、と。
 杞憂だとは思うし、もちろんあとりK氏の表現を弾圧しようというつもりもない。お好きな方は読まれればよい。ただ個人としてはあれは好きではないし、またあれをネタとして楽しむという振る舞いはやや品位を欠くものではないか、あれはお好きな方が他人に隠れてひっそり楽しむたぐいのものではないか、と愚考するものである。

参考文献:
今野敏『慎治』(双葉社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575506958/interactivedn-22
 ここでガノタ教師はいじめられっ子慎治に「いやなら学校に行かなきゃいい。それともぶっ殺してやりゃいいんだ。ガキはすぐ出てこられる。」と教える。しかしその当然の理屈に思い至れないのがバカなガキというものだ。