版元より。なかなか盛りだくさんである。ありがとうございます。
若手の福祉研究者が集まって作ったオリジナルな教科書。英国のcritical social policyからインスパイアされた構想に則っており、なかなかよさそうであるがちょっとだけ文句。
筆頭著者、全体の3分の1以上を書いている圷さんに教科書執筆への参加を依頼されたのはもうずいぶん前のことになる。その時の構想では福祉プロパー以外にもぼくのようなよそ者にも頼んで総勢10名以上の大所帯で作ることになっていて、「考え直せ」と言わざるを得なかった。それくらいだったらテーマを限って一人1冊のシリーズものの方がましだ、とも言った。(
ここと
ここ)を参照。
さてできあがってきたものは執筆陣を少数精鋭に絞り込み、過度に欲張らない構成になっていてまあよし、なんだけど……。なんだか今度は迫力を欠いた代物になってしまった。
あとやっぱり英国のsocial policy and administrationを準拠枠にして考えることが、今現在、しかも日本において、どこまで有効なのやら……正直に言ってこれでは財政学(
マクロ経済学はもちろん、
マルクス経済学の国家独占資本主義論も含めて)にも
社会保障法学にも、それどころか旧社会政策学残党たる労働問題研究にも勝てないと思うな。この辺については金子君の
この記述などが参考になります。