スタニスワフ・レム『宇宙飛行士ピルクス物語』(早川書房)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000J82IM6/interactivedn-22
 もうぼちぼち店頭に出回るはずのレムコレ『大失敗』国書刊行会)の予習としてネット古書店から大人買い
 今読むと古色蒼然としてますが、これは題名から創造されるようないわゆる「宇宙もの」ではなく、非常に本格的な「ロボットもの」――というよりロボティクスSFだったのですね。当時の言葉で言えば「サイバネティクス」だけど、古典的な意味でのロボットだけではなくて、今で言う「バーチャルリアリティ」とか、「バーチャルマシーン」とかまで総合的に扱われている。「テルミヌス」なんかはある意味イーガン「誘拐」の先取りではなかろうか。