久正人『ジャバウォッキー』(1)(2)(講談社)

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 ジャケ買いねらいの装丁に乗せられることはあんまりないんですが、2巻同時発売につられてつい。


 お話としては、スチームパンクというか架空の19世紀末を舞台にした古きよきスパイアクションとでも申しましょうか、しかしとりあえず目立つのは絵。
 スチームパンク風まんがには『蒸気探偵団』更には『ヘルシング』、あるいは『ザ・ビッグ・オー』コミック版のように、白黒のコントラストをはっきりさせた表現主義(『カリガリ博士』)・ネオ表現主義風(後期『バットマン』、フランク・ミラー)の絵柄を用いたものが多いのだが、本作はその路線の中で見てもかなり高度に洗練されている。(ファンからはマイク・ミニョーラの影響を指摘する声も多い。)
 お話の方は……「ダヴィンチ・コードmeetsジュラシック・パーク」とかいうアオリはわかるけどやめてほしい。恐竜好きの方にはたまらないのでしょうかこれは。あれこれおもちゃ箱をひっくり返したようなギミックには好悪が分かれるところでしょう。個人的には、秘密結社「イフの城」首領モンテ・クリスト伯3世のモットー「復讐」=「仇の奴らのようにはならないこと」が妙にツボにはまった。