人文書院のサイトで連載されている北野圭介『制御と社会――欲望と権力のテクノロジー』でございますが。
ドゥルーズ以来のles sociétés de contrôleを「管理社会」よりも「制御社会」と訳そうという提言はなかなか興味深いですが。
「制御」という言葉は、むろん、情報科学にその端を発した用語である
てえのはいただけませんね。「制御工学」ってえのはもっとこう生々しくてごつごつしたもんじゃあなかったですかね。何も計算理論の聞きかじりをポストモダン風に翻案する必要なんか全然なくてですね、最初から「答えも見えないまま手さぐりでどうにかする」世界じゃないんですかね。