『哲学の歴史7 18-19世紀 理性の劇場』(中央公論新社)

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 いわゆる「ドイツ観念論」の巻。(でも本当はそんな学派はないんだって。)
 とりあえず加藤尚武先生の「ヘーゲル」のとこだけ読む。
 これまでもあちこちでおっしゃってたことが大半ではあるが、このようにまとめられると壮観であるし便利。「観念論が二元論だとすれば、一元論者ヘーゲルは断じて観念論者ではない」というご託宣にはうならされる。
 パラフレーズすると――


ヘーゲルがわからなくてもあんたが悪いんじゃないですよ、思いつきをしゃべり散らかすばかりで、まともな文章を書かない(書く気がない)ヘーゲルと、そういうトンデモ師匠の支離滅裂なメモと自分たちの講義ノートから「神秘的な体系家ヘーゲル」をでっち上げた弟子たちが悪いんですよ。
 あんたら素人さんたちは『法の哲学』を弟子のノートと一緒に読まれれば十分ですよ、意欲のある方は『政治論文集』『イエナ体系構想』あるいは『エンチクロペディー』あたりまで手を伸ばされてもいいですが、『精神現象学』はあんまりおすすめできませんよ、ろくに推敲してない書き散らしですから。
 間違っても『大論理学』なんかに手を出しちゃダメですよ、たたでさえ辻褄合わない上に、原稿料目当てで水増しされてますから。」


てことですか?