2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

報告準備

来週のセミナー用に、『「公共性」論』からいくつかのモチーフを抜き出して論文On "Benevolent Totalitarianism"の初稿をでっち上げた。結構長めになってしまって各位に申し訳ない。外国語で書くと母語で書く場合に比べてレトリックに頼れなくなるので、きち…

お買いもの思案

アギオンの不平等関連の仕事を見ていると当然のようにその名前に出会うのがダロン・アセモグル。40前後では世界でもトップクラスの理論経済学者ということか。マクロ成長論のエキスパートだが金融よりもむしろ労働に関心があるようだ。しかも数理政治学でも…

つまりおれの武器は

ろくに英語しゃべれない(そもそも相手の言ってることもろくに聞き取れてない)にもかかわらずついつい無理矢理言いたいことをくっちゃべろうとする厚顔無恥さにあると開き直るのが吉だな。 再来週の研究会のためのペーパーの締め切りは次の火曜日です。内容よ…

この流れなら言える……じゃなくて言っておかないと。

雑誌『POSSE』が高いとか安いとか盛り上がってるけど。 JILのサイトに行けば、税金使って行われた調査研究の報告書があって、タダでいくらでも読めるんだけど。 問題は専門家向けで難しいことかな。しかし一般向けの広報誌『ビジネス・レーバー・トレンド』…

グーグル・ブック

手元にない文献から引用しようと思ったが、図書館に行くのが面倒でグーグル・ブックをあたってみたら、都合良く当該個所が閲覧可になっていた。 しかしすごいことになってきたな。

気になる

比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)作者: 斎藤修出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/03/14メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (8件) を見る これどなたか読まれましたか? ところで今現在だと日本経済…

娘の日々@レゴ・パーク小学校

まだ言葉もろくにわからないはずなのにすっかり適応して毎日楽しく通っているのはなぜだ。 それにしてもアメリカの、というかたぶんニューヨークの、いや今通ってる小学校が良くも悪くも恐ろしい、というか侮れない。・良い意味で きれいな校舎。広い教室。…

いただきもの

集中講義! アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険 (NHKブックス)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2008/09/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 125回この商品を含むブログ (85件) を見る ありがとうございます。

フィリップ・アギオン

成長と分配との関係についてはリーディングな研究者のひとりのようなのでメモ。 欧州開銀「移行経済国における制度、市場、経済パフォーマンス」(日本語訳) http://www.ebrd.com/country/sector/econo/jrpsummjp.pdf 著者ホームページのpapers http://www.…

oさんのコメントより(続々々々)

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080918/p1 より引き続き。 復習すると、もともとの問題がどこにあったかといえば、mojimoji氏の論点がGDPを「社会指標」とみなすことへの異議にあったとすれば(要検討)、おそらく山形氏はGDPを普通の意味での「社…

我が家の当地でのメインバンクがリーマンの大口債権者なのは秘密です。旅行者保険会社は(以下略)

あたかも地獄の釜の蓋が開きかかっているかのごとき今日この頃、ほんまにバーナンキのFEDはなりふり構ってなくて頼もしいが、さて「流動性危機は経済における「シュミット的例外状態」である」と言っていいのか? ――すみません、こういうこと言うと経済学者…

分配と成長の関係について

10年前の本だけどGrowth, Inequality, and Globalization: Theory, History, and Policy (Raffaele Mattioli Lectures)作者: Philippe Aghion,Jeffrey G. Williamson出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 1999/04/08メディア: ペーパーバック…

oさんのコメントより(続々々)

いよいよ「パイプのけむり」化してきたよ! http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080917/p1 であたかも、「消費可能財集合」とか「所得分配プロフィール」とかの(帰結主義的な意味での)社会の状態は多次元的でそれこそアローの定理に罠にかかりかねな…

「人権」についてポイントのみ

・法学的な意味での「人権」と政治思想上の、あるいは日常道徳的な用語としての「人権」とは意味が違う。 ・それどころか憲法(国家レベルの公法)と国際法(国際公法)とでは、また国内法レベルでも憲法(公法)と民法、刑法等々では「人権」の意味が異なる…

最適化の続きの続き

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080916/p1 あれからできないなりに一所懸命計算しました。その結果、こういう中間的結論に達しました―― ・最小作用原理でいうところのラグランジアンは、 古典力学だと、 「運動エネルギー・マイナス・位置エネルギ…

oさんのコメントより(続々)

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080916/p3 での結論を再確認する。 議論にどのような混乱があったのか? 「現状が不完全雇用であるならば、まずはそれを解消したうえで、それから――というよりもそれと並行して再分配をしようよ。たぶん失業の解消…

oさんのコメントより(続)

ネット上ではみんな飽きっぽいよね。それはともかく http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080909/p1 の続きということで、改めて「仮説的補償原理」について勉強してみたよ。 非常におおざっぱにいえば、こういう状況が想定されていると考えるよ。 ・ま…

ネオマルクス主義世界経済論についての思い出(2)

「世界システム論」という大風呂敷が「社会学においても「国際関係」「世界」を論じていいのだ!」という「コロンブスの卵」的な問題意識の転換をもたらしたことの意義とか、更には歴史学とか国際政治学とかに対して与えた効用(「国家」という単位の相対化…

最適化の続き

青木先生の講義録にブクマツキまくりにワロタ。「工学」とは書いたが「経済学」とは書いてないですよ念のため。そこから先は自分で考えないと。はあ。 がんばって青木先生のとかその他ネットに散在する解析力学のノートとかをにらみつつ、力学・場の理論―ラ…

ネオマルクス主義世界経済論についての思い出(1)

まあ要するに「従属理論」とか「世界システム論」のことだと思ってくださって結構。 『教養』ではこの辺をほぼカットして、どちらかというとオーソドックスな守旧派、つまりは「世界資本主義」としてではなく、「一国資本主義」の集まりとして世界経済――とい…

「最適化」の勉強

ふと思い立ったのでググってみる。前から気になっているのは、経済学における基本ツールとしてのラグランジアンとハミルトニアンがもともと物理学に起源を有するということ。たしかサミュエルソンあたりで明確に、解析力学に範をとって経済理論を立てよう、…

ネットは情報の陳腐化が早いので

久しぶりにブクマしてサルベージ。 http://d.hatena.ne.jp/hidedayo/20050626 http://hicksian.cocolog-nifty.com/irregular_economist/2006/03/post_00a3.html

この間の議論(?)を踏まえて

ひょっとして『「公共性」論』で間違ったことを書いていないか気になったので少し読み返してみた結果; *エピローグでの時論的な愚痴は基本的に日本が完全雇用にはないという前提の下で書かれている。しかしその前提がそれほど明示されてるとは言い切れない…

原恵一郎『ワシズ 閻魔の闘牌』

http://kinma.takeshobo.co.jp/original/story/washizu/index.html これはひどいスピンオフ企画ですね。 webでも読める; http://comics.yahoo.co.jp/magazine/mahjong/wasizu01_bknum_0001.html 残念ながら企画としても作品としても外している。スピンオフ…

oさんのコメントより

盛りだくさんだったので、 http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080907#c1220772704 から適当に編集します。 *「GDPを増大してパイを拡大すれば、その後に何らかの再分配策によって、全員の状態を改善できる、つまりパレート改善できる」? →できない…

ひょっとして

今どき「左翼」を自認する人は、かつてのマルクス的共産主義の理念を旗印そしてあるいはアリバイにした中央指令型計画経済(まともな「計画」なんか実はなかったから「指令経済」なる呼称の方がふさわしい、との塩川伸明先生のご指摘は示唆深いがとりあえず…

終了してない(4)

新学期が始まり報告の日程も決まり〆切も設定されて英作文に戻ったから当方もヲチ態勢に移行……というのは無責任にすぎるか。 ミクロがご専門のtazuma氏の感想; もしもすでに経済がフロンティアの上にあって、成長と平等がトレードオフの関係になっていれば…

これはすごい

いや、ミシェル・フーコー講義集成〈8〉生政治の誕生 (コレージュ・ド・フランス講義1978-79)作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,慎改康之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (…

終了してない(3)

ここで問題としたいのは「そもそもGDPとは社会的選択の対象となるようなものか?」ということです。そもそもGDPはいったい何の指標であるのか? が大変気になっております。 ミクロ的な見方を徹底すれば、GDPとは結局、社会的選択の対象、評価と選択の対象と…

終了してない(2)

承前http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20080904/p2 それでは「こうした社会的選択理論の使いどころはどこであり、その前提は何か」について少し考えさせてください。 ここで社会的選択理論が考える、社会的な状態、更にはその基礎になっていると思しき…