Property matters. Government matters.

ということだったのですよ要するに。
 産業社会論の時代、収斂理論の時代というのはAdministration/Managementの時代であって、それは何かというと"Property/Government does not matter so much."の時代だったということで。
 ポスト社会主義時代というのは非常にわかりやすく"Property matters."であったことがあからさまになったわけですが、同時にそれが"Government matters."でもあったことが面白い。
 "Property matters."が深刻であったのは社会主義体制にとってだけではなく、資本主義の自由企業体制にとってもそうだったわけで、大体80年代以降(企業買収ブーム以降?)「経営者革命」なんかどっかいっちゃって、企業にとっての所有権というか株主主権の重要性が思い起こされるようになった。しかし企業にとって"Property matters."はまた同時に"Government matters."でもあったわけね。まあ20世紀ともなるとgovernmentの語はもっぱら国家の中央・地方政府を指す言葉になってしまったので、governanceという語の大流行となったわけだが。つまりCorporate Governance。
 しかしgovernment(governance)の復興は企業にとってだけではなく、国家の政治においてもまた同様だったことは覚えておかないと。つまりコンセンサスポリティックスと官僚制(政府のみならず政党組織も含めて)優位という政治(の衰退)認識から、イデオロギー対立をも含めた政治の再問題化が進行したのが、いわゆる「新自由主義」の時代。