某東京大学大学院生の意見

 優秀な学生の確保のためというかなんというか、博士課程院生の授業料の実質免除という戦略に東大を含めたいくつかの大学が踏み切っているわけですが、今年度より私どもの職場に着任した某若手のおっしゃるところでは、この政策意外と院生たちのあいだには不評だそうで。
「そんなことしたら、今でもろくに指導してもらってないのに、ますます教官たちがまともに指導してくれなくなる!」だとか。


 どうなんでしょうねえ。なんだか非常にうなずける半面、そもそも国立大学の教官には昔から学生を「対価の分のサービスをしてあげなければいけないお客様」と考えるハビトゥスなんか、なかったような気もするんですが……。


 関係ないですがうちの職場も新人が3人入って今年度から大いに若返りまして。みんな私などとは違って正統派かつ実力派で、「開発社会学」担当の石原俊氏は大作の博士論文を公刊済みで、某書評紙の論壇時評とかしてるし、「教育社会学」担当の元森絵里子氏の博士論文も某書房から刊行予定です。ところが「情報社会論」担当の半澤誠司氏の博士論文だけが、いまだに公刊の予定が具体的に立っていないんですよね。
 拝読した私としましては、フィールドリサーチに基いた日本のコンテンツ産業の比較分析として、パイオニア的意義がある作品だと思うんですが……。
 出版関係でご興味のおありの方、おられましたらぜひ私か、ご本人の方まで連絡していただきたいのですが……。