麻布中学・高校の夏休み読書リストを(続)

http://www.azabu-jh.ed.jp/syuppan/suisentosho2008.pdf

公民・政経・倫理

 屑の方が多いのでいちいちダメ出しをしてると大変なことに……。


 法律・政治系では、とりあえず渡辺洋三の本はすべて却下。ごみ箱直行。
 憲法入門だったらとりあえず今は樋口陽一・長谷部恭男あたりでなんとかしておくべき。あとはジュニア新書で杉原泰雄・森英樹、伊藤真。あと民法大村敦志の本。
 『レオニーの選択』はよい本だと思うがいま手に入るのか? 

憲法と国家―同時代を問う (岩波新書)

憲法と国家―同時代を問う (岩波新書)

憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)

憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)

憲法読本 第3版 (岩波ジュニア新書)

憲法読本 第3版 (岩波ジュニア新書)

新版 主権者はきみだ―憲法のわかる50話 (岩波ジュニア新書)

新版 主権者はきみだ―憲法のわかる50話 (岩波ジュニア新書)

中高生のための憲法教室 (岩波ジュニア新書)

中高生のための憲法教室 (岩波ジュニア新書)

父と娘の法入門 (岩波ジュニア新書 (519))

父と娘の法入門 (岩波ジュニア新書 (519))

レオニーの選択―18歳少女の“政治”への旅立ち

レオニーの選択―18歳少女の“政治”への旅立ち


 経済系はどうにもこうにも(以下略)。
まず経済史、中村政則も橋本寿朗もまあ確かに権威とは言えるが率直に言って筋はよくない。
 中村政則の本は一冊も読んだことがない。日本の農業経済史・土地制度史、特に講座派系のものはまじめに勉強してこなかったからね。機会があれば何とかしたいところだが。
 橋本寿朗は昔ある程度呼んだのである程度勘が働く。宇野派の流れをくみ、戦後高度成長を研究するために戦間期の重化学工業化の研究から始めた人であるが、全体としてみれば80年代の小池・青木流の日本経済論の宇野派におけるカウンターパートという印象が強い。初の現状分析の著作『日本経済論』は80年代の論文をまとめたもので、出て早々にデフレ不況が悪化したのは何とも間の悪いことで。
 推薦されている岩波新書は、はっきり言えば焦点がぼけた何がしたいのかわからない本。岡崎哲二以降の「戦時統制経済原型論」=「戦前戦後連続論」を批判したい、というのはわかるが、それによってさらに何を主張し、いかなる戦後日本経済観を提示したいのか、がわからない。戦後高度成長礼賛論だったら他にもっとわかりやすく面白い本がある。(下川浩一など。)
 なお晩年の遺著で日本のデフレ不況対策として「賃下げ」というどうしようもないトンデモ処方箋を提示した。(この辺は下川浩一も大差ないが。)
 「批判的」な経済史なら橋本の親友、武田晴人のものがある。

日本の企業発展史―戦後復興から50年 (講談社現代新書)

日本の企業発展史―戦後復興から50年 (講談社現代新書)

「失われた十年」は乗り越えられたか―日本的経営の再検証 (中公新書)

「失われた十年」は乗り越えられたか―日本的経営の再検証 (中公新書)

高度成長―シリーズ日本近現代史〈8〉 (岩波新書)

高度成長―シリーズ日本近現代史〈8〉 (岩波新書)


 経済学系なら基礎はとりあえず岩田規久男の新書からはいればよい。国際経済は野口旭。

景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書)

景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書)

日本経済を学ぶ (ちくま新書)

日本経済を学ぶ (ちくま新書)

グローバル経済を学ぶ (ちくま新書)

グローバル経済を学ぶ (ちくま新書)