仕事用その他

 6月中はずっと英作文の日々であったが、アプライしていたシンポジウムでの報告がリジェクトされてちょっと気が抜けた。秋口にローカルな研究会で報告するつもり。
 というわけで8月には長い間放っておいた日本語の仕事を集中的にやる。(合わせて某地下で国家論の仕事も。)そのための資料としてこちらで自分で手配したもの、日本から送っていただいたもの――

量子が変える情報の宇宙

量子が変える情報の宇宙

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈2〉 (みすずライブラリー)

 何の仕事かは聞くな。
 あとは
戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)

戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)

 1980年という時点なので〆が吾妻ひでお。続巻は誰がどのように書けばよいのでしょうか? 米沢のSFまんが関連の断片的コメントで妙に記憶に残っているのが、どこぞの年鑑かなんかのまんが評で真鍋譲治の『アウトランダーズ』を推していたところ。
 あれは読まれた方ならお分かりのとおり、開巻数十ページであっさり日本が吹き飛び、1巻のうちに地球自体が消滅して舞台は宇宙に飛び出し――と道具立てだけはめちゃくちゃ派手ながら、展開されるお話自体は奇妙に空虚で無内容で、ただ何ということなしに戦争がおこり、それによって何が達成されるでもなく、主人公たちはただそれをくぐりぬけてとりあえず平和な日常をつかみました――というだけの、何もない話。その奇妙に茫漠として醒めた感じは、まさに「SF冬の時代」の感覚を体現していた。ヒット作『銀河群雄伝ライ』のどうしようもない空虚さもまた、その延長線上にある。
 あえてこれを推す感覚には、たとえばここでの水鏡子のチョイスにも近いものが感じられる。『ライ』の次候補に、まさに真鍋の対極ともいうべき長谷川裕一マップス』を置き、あるいは星野之宣2001夜物語』よりも聖悠紀超人ロック』を推すあたりのひねくれ具合に。(しかし堂上まさ志『燃えろ! 一歩』というチョイスはすごい。たしかに前コンピュータ時代の将棋SFの佳作ではある。)
 ただしこの真鍋の路線がみのり多いものであったかどうかはまた、別の問題であろう。