ニューヨーク暮らし

 QueensのRego Parkというところに古い3ベッドルームのアパートを借りました。こっちの建物はなんでみんなこんなに古いんだ。レンガ造りで震度5でも来れば全壊するんじゃないか。それにどうしてこんなに隙間なくくっつけて建てるんだ。長屋かと思ったじゃないか。
 ここも一応ニューヨーク市内ですが、マンハッタンまで地下鉄で30分かそこらかかります。しかし市内に住んでいれば地下鉄のおかげで車が要りません。
 家賃は月2300ドルです。ニューヨーク怖い。何が怖いって家賃が怖いし物価が怖い。8パーセント強の市税がまた怖い。やっぱり田舎の大学町にくればよかった(ニューヨークに来たのはそれなりに理由があったとはいえ)。マンハッタン内のコンドミニアムなんか、買おうと思ったら百万ドルは当たり前で一千万ドル台も珍しくない。人が住める場所じゃねーよ。でも高いのはマンハッタンだけじゃないところがまた怖い。都心から遠くてもこぎれいでお上品な街ははっきり高いというところが日本と、東京と違う。
 治安の方は、噂に聞いていたのに比べるとあんまり悪くない感じです。やはりゼロ・トレランスが効いたのか。ハンドガン禁止の街だしな。
 Rego Parkはロシア人移民の町です。道を歩いていて一番よく聞くのがロシア語。駅前の商店街に踊るキリル文字の看板。ロシア系ユダヤ人も結構いる気配。それからスペイン語。だれか英語しゃべれ。韓国人もいます。中国人はそんなに目立たない。日本人はパラパラ。
 アパートの2階に住んでる家主もウズベク人で、91年にこっちに来て、息子を弁護士にまでしたのが自慢。7ヶ国語をしゃべると自称。さすがロシア〜中央アジアの民族混住地帯出身。
 それから町に本屋がありません。ほとんどない。日本でも街の本屋が減ってきて久しいですが、もっとひどい。普通の商店街にはまず本屋はない。マンハッタンにいくつか独立系書店が、どうにかこうにか生き延びている程度。
 何というか、Barnes & Nobleひとつで紀伊国屋ジュンク堂丸善と旭屋と有隣堂宮脇書店を合わせたくらいのインパクトを発揮している感じ。