小田切博『戦争はいかに「マンガ」を変えるか アメリカンコミックスの変貌』(NTT出版)

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 いただきもの。
 あの不毛な「アメコミ論争」最大の収穫はこの本の書き手(id:boxman)の存在を知ったことであった。
 9・11以後浮き足立ち、あるいは妙にはしゃぎだした日米のまんがその他の表現の追跡を通じ、「マンガというフィクションが現実へのコメンテーションでありうる」という無邪気な確信」が「現実とは無関係な独立した安全圏だから安心してコメンテーションできる」という擬制によって支えられていることを抉り出す本書は、『テヅカ・イズ・デッド』とあわせて、専門外の人間も参照しておくべき、まんが研究、そして文化研究の基本文献となるだろう。