敗戦、というより失敗の弁

(以下の話はとりあえず本田さんのことは除外して考えています。今何を考え、どうしてらっしゃるか存じませんので。)
 「勝ち負けの問題ではない」とは思ってはいますが、失敗ではありますなあ。相手(少なくとも内藤さん)がもはやこちらの言い分に聞く耳持たないようになっちゃったんだもの。飯田君や濱口さんはぼくほどの全面否定の対象じゃないけど、結局彼らの意見を内在的に検討して自省する作業も、ぜんぜんなされてないじゃない。内藤さんがなさっていることは、派手な立ち回りと語り口で論点をすりかえているだけ。


 繰り返しますが、これはまったく勝ち負けの問題じゃありません。内藤さんのところのトラックバックを見ただけでも、そしてあちこちのブログを見てみればいっそう、この問題については「稲葉に理がある」もあれば「内藤が正しい」もあるし、その中間でそれぞれの理を測るものもある。「勝ち負け」を基準にする限りは、どっちの解釈だって成り立つのよ、たぶん。
 だから問題は――少なくともぼくにとっては――勝ち負けじゃない。たとえこの件で圧倒的多数の人々が、内藤さんの言ってることがめちゃくちゃで、ぼくの方に理があると判定してくれたとしたって、内藤さんがぼくや飯田君や濱口さんの言ってることを真に受けて、まともに考え直すことがなけりゃあ、ぼくにとってこれはただの失敗なの。
 反対に、「ぼくが間違ってる」ということで衆目が一致したとしても、内藤さんが自らの認識の誤りを(こっそりとでも)認めて、まじめに勉強しなおしてくれれば、成功なの。
 その観点からすれば、たぶん今回のいざこざはもう端的に「失敗」であり、誰も得した人なんかいないんです。


 ぼくに反省点があるとすれば、向こうの顔を立てて、プライドを(心を?)傷つけずに説き伏せることができなかったということ。
 それ以上何かあるか? と問われれば、ぼくとしては、以下を繰り返すのみ。このコメントにぼくがこめた意味は、当初のコンテクストから切り離しても変わることはない。これを人格非難のネガティブキャンペーンと言うなら言うがよい。

同年輩の方にお説教など心苦しいのですが。
本当にねえ、つくづく思うんですが、本田さんも内藤さんも勉強も想像力も足りないの。
いやね、きっと勉強してる(つもり)なんだと思うけど、実際大変な努力をしてるんだと思うけど、多分その勉強の仕方が間違ってるの。
他分野の専門家の話を聞いても、その結論のなかで自分にとって勉強になると思える(つまりは都合のよい、認知的不協和の少ない)部分だけをつまみ食いするだけなの。だからいくら勉強しても深まらないの。自分が変わらないの。
結論なんかどうでもよいから、相手の思考法とか感性そのものを追体験するように心がけてくださいよ。認知的不協和を激しく起こすような議論をこそ、まじめに学んでくださいよ。
前にも
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20060502/p4
って書いたでしょう。問題は経済学だけじゃないよ。
http://bewaad.com/20060213.html
では法律学的にまるでだめ、と断じられているでしょう。何か勉強の仕方に根本的な問題があるんだよ。


あとはしつこいけど
http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20060208/p1


追記:
 ほつまさん、「なんかセラピストみたいな」ってなんやー?